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発売前に1,440万円分のLED電球を販売した車用品メーカーの事例

今回の事例はこちらから。

名古屋の車用品メーカーであるBeat-Sonic社が、クラウドファンディングサービスであるMakuakeを使って発売前のLED電球を1,440万円分販売した事例です。この1,440万円という金額は、当時、日本国内におけるクラウドファンディングのプロダクト系プロジェクトの中で過去最高記録だったそうです。それでは詳しく見ていきましょう。

Makuakeとは?

Makuakeは、インターネット経由で個人から資金調達ができる「クラウドファンティング」サービスの一つで、株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営しています。Makuakeを使うと、まだ世の中に出ていない商品やサービスを予約販売(先行販売)することができます。製品・サービスが市場に受け入れられるかを発売前・サービス提供前にテストできるため、新商品開発・新規出店のリスクを大幅に下げることができます。中小企業白書2014年版の第三部の第五章「新しい潮流 ―課題克服の新しい可能性―」で紹介されるなど、注目を集めています。

今回取り上げた事例は、Makuakeに掲載されたプロジェクト「ダサいLEDは終わりにしよう!フィラメントをLEDで再現、美しい電球を広めたい」の責任者である、Beat-Sonic社の戸谷氏へのインタビュー記事です。それでは、戸谷氏が語った”クラウドファンディングで得られたもの”を見ていきましょう。

クラウドファンディングで得られたもの

資金

僕が心の中で目標値にしていた300万

に対し、1,440万円(※)もの資金調達を発売前に達成されています。

(※)Makuakeに支払う手数料は20%のため、実際は達成金額の80%が入金される

製品・価格の検証

インタビューの中で、戸谷氏は

実は僕自身も最初は半信半疑でした。

と、オシャレなLED電球が売れる確信がなかったと語っています。
また、価格設定に対して、

それはすごく難しかったですね。一番悩んだところかも。

とおっしゃっています。
Makuakeに掲載し「設定した価格で、目標以上の数量が”実際に”売れた」ことで、「2千円から4千円のオシャレなLED電球を購入する顧客層がいる」という検証結果が得られたことが大きな価値だったということですね。

話題作り

製品・価格の検証以外にも、狙いがあったようです。

一方で、僕の心の中では、製品化の先の部分、販売のところを重視していました。

Makuakeで目標金額を達成して話題を集めることで、ワールドビジネスサテライトにも取り上げられました。話題作りに成功したといえるでしょう。

社内の協力

新商品、新規事業開発を経験したことのある方であれば感じる、社内での孤立感。戸谷氏も、

やはりすでにほかに注力しているものがあるときに、そこでポッと“ちょっといいもの”が出てきても、「今はこっちだから!」って販売戦略の優先順位が下がってしまう。なかなかそういうタイミングが合わずに、「あー、あれは本当だったらうまくいっていたよね」といった後悔はよくありました。

と、社内の協力が得られず悔しい思いをしたことが多々あったと語っています。
しかし、実際にLED電球が売れ始めると、

社内の反応…。それはすごい変わりました(笑)。

と、状況が一変したそうです。社内の協力は、新商品・新規事業開発の成功の大きな要因です。

もちろん社外へのプロモーションも大事ですが、社内の雰囲気を他人事から自分事にしていくことも大切だと思いました。

と戸谷氏が語る通り、社内の協力を引き出せたことも大きな成果といえるでしょう。

チャレンジする社風

インタビューの中で、戸谷氏はこう語ります。

いままで、うちの会社でも「これはいい商品だけど、うちには販路がない」「初期投資だけで何百万もかかる」といった理由で、ボツになっていったいいアイデアっていっぱいあるんです。
今回、「クラウドファンディングってうまくハマればすごいパワーを持っているじゃん!」ということが、社内全体にも広がった。そうすると、もっとクラウドファンディングを使って、「新規参入してみよう」「今までやったことない分野だけどやってみよう」ということが今後増えてくると思うんですよね。

ひとつの成功によって「自分たちでもできるかも!」と社員が希望を持ち始めることは、中小企業にとって非常に大きな成果ですよね。

まとめ

今回は、クラウドファンディングでオシャレなLED電球”Siphon“を1,440万円先行販売した事例を取り上げました。「いいアイデアはあるけれど、リスクが高くてなかなか新商品開発に手がつけられなかった」という方は、試作品さえ作ってしまえばクラウドファンディングに挑戦することができます。量産品を作る前に市場調査ができるクラウドファンディングを、ぜひ活用してみてください。