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町医者がクラウドソーシングでスマホアプリを開発した事例

医者とスマホ

今回ご紹介する事例はこちら。

クラウドソーシングサービスである「クラウドワークス」を利用して、町医者がスマホアプリを開発したというのです。出来上がったアプリは、ハートリズム」。脳梗塞の原因となる不整脈をチェックし、疾病の予防を可能にするアプリです。

そもそも、クラウドソーシングとは?

「Crowd:群衆」と「 Sourcing:委託」を合わせた造語で、インターネット経由で一度も会ったことのない個人に仕事を発注する仕組みのことを言います。企業に発注するのと比較し低額で発注できるため、ベンチャー企業を始め10万社を超える国内企業数が利用しています。また、ヤマハや伊藤忠商事、TBSなどの上場企業も活用しており、新しい人材調達の手法として定着しつつあります。

一方で、発注力がないと案件がトラブルになるケースもあり、上手に活用できる企業とそうでない企業が二極化しているとも言われています。

では、どうのように開発したのか?

まず、前提です。

私はアプリ開発をするプログラミングスキルを持っていませんでした。
作りたいアプリは明確で、既にページ構成や仕様書なども用意できていました

スキルは不要。ただし、作りたいものは明確、という前提で発注されたそうです。

では、発注画面を見てみましょう。

iPhoneカメラを利用した脈拍検出機能とある疾患啓発系の無料アプリの制作

予算は50万円から100万円、納期は4ヶ月後という条件提示を提示しています。応募者とのやり取りの中で詳細な資料が必要と判断されたのか、公開から2日後に具体的な内容をまとめた企画概要書を作成されたようです(企画概要書は公開されていません)。11月18日の公開からわずか1周間で、15件の相談・応募されています。

受注されたのはこちらの方

発注者側の評価は、

イメージ通りのアプリを作ることが出来ました。
医療系ということで専門的知識が必要とされるのですが、ポイントを掴むのがとても早く的確で、二人三脚でストレスなく進みました。
米appleとの英語のやり取りが必要となった際にも英語力には随分と助けられました。
アプリリリース後も引き続き協業していきたいと感じました。

と高評価のため、期待通りのスマホアプリが完成したと推測されます。

他にも、「疾患の早期発見と教育啓発系のアプリ制作」なども発注されていますので、興味のある方はご一読ください(発注一覧はこちら)。

予防医療分野の発展に期待!

五十嵐院長は記事の中で、

救急の現場で感じたのは、「重要なことは病院に来る前に起きている」ということです。病院に来る前で予防のチャンスはいくらでもあるのに、一度発症して病院に運ばれるタイミングによっては手遅れになってしまう病気は少なくありません。そのような中で、あらかじめリスクがある人を特定して、適切な受診につなげる疾病予防ができないものかと考えました。

と語っています。

高齢化社会による医療費の高騰が国家の課題になっている今、このような思いを持った医師とアプリケーション開発者がクラウドソーシングによって結びつき、世の中にリリースされたことは大変意義のあることですね。

まとめ

今回は、クラウドソーシングによって予防医療に活用できるスマホアプリを開発した事例を紹介しました。
最後に1つ、注意点です。個人に発注する場合、その方の状況によって継続的な発注ができなくなる場合があります。企業に発注したほうが継続性がありますので、リリース後の運用までを考慮にいれて慎重に発注先を決定してください。
まずは、プロトタイプ(試作アプリ)の開発等、継続性が不要な業務から発注してみてはいかがでしょうか。